八百万の神に聞く*旅する様にチャネリング

身近な物言わぬモノ達からの、深淵なる言葉をシェアします。私の役に立った事は、必ず誰かの役にも立つと思いますので。必要な方に届きます様に。手紙を入れたビンを川に流す様に、どなたかの心に。

どこかの物語4*死んだ僕

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前回からのつづきです。

 

 

 

 

僕は目を開けた。

 

 



僕は縛られたままの僕が死んでいるのを見た。

 

 



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死んでしまった僕は数人の人達に連れて行かれた。

 

 

 

 

僕は死んだ僕を眺めているこの僕は

 

 

 

一体誰なんだろうと思った。

 

 

 

 

僕は自分の手が自由なのを感じた。

 

 

 

僕の腕には記憶がある限りでは

 

 

 

生れて初めて手錠がなかった。

 

 

 

 

僕は初めて自分の手の平を見た。

 

 

 

そこにはこう書いてあった。

 

 

 

『ここで生きろ』

 

 


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僕はここではないどこかを目指してここまで歩いて来たんだけれど、

 

 

 

どうやらここで生きるべきらしい。

 

 

 

その、こことは水の底だった。

 

 

 

 

僕はウロウロと水の底を歩いてみた。

 

 

 

不思議と僕は苦しくはなかった。

 

 

 

というか、水の底に居るなんてことは初めてで、

 

 

 

苦しいに違いないと思っていただけなのかもしれない。

 

 

 

僕は本当は水の底の事なんて知らないのだ。

 

 

 

ここで生きている方の僕は息が出来た。

 

 

 

この水の底を見渡してみたけれど

 

 

 

何かを僕に強制してくる人はいなさそうだった。

 

 

 

 

 

僕は初めて『ここではないどこか』に行くため以外の理由で

 

 

 

歩くことができた。

 

 

 

目に映る景色は美しかった。

 

 

 

 

以前いた河の水は凍える程冷たかったけれど、

 

 

 

ここの水は温かかった。

 

 

 

 

ただ、水の中なので進むには抵抗があり

 

 

 

少し進みづらかった。

 

 

 

無理矢理押し切って進むうちに思った。

 

 

 

あれ?なんで進んで行こうとしているのだろう?と。

 

 

 

 

ここで生きればいいのじゃないか?

 

 

 

じゃあなぜ頑張って進むのだ?

 

 

 

 

僕は力を抜いた。

 

 

 

力を抜いた僕は水に身体を預けて進もうとするのを止めた。

 

 

 

 

そうしたら、

 

 

 

身体は浮かび上がり始めた。

 

 

 

いつの間にか次に目の前から水が消えた。

 

 

 

 

僕はいつのまにか森の中にいた。

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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